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トレンドライン(Trend line) |
相場(市場)には,買い手,売り手,傍観者の三者しかいない。買い手が多数を占めれば相場は上がり,売り手がマジョリティをなせば相場は下がる。そして,買い手と売り手が拮抗する,或いは傍観者が増えるに従い相場は横這い状態となる。単純明快だ。このような相場の動きをチャートとして見た場合,相場が上昇,下降するさまが直線的になる現象がしばしば観察される。一定の期間,相場に継続して買い,または売り圧力がかかった結果,相場がチャート上で傾斜角を保ちながら動くのである。
左図は上昇相場をイメージしたものだが,ここで注目して欲しいのが図に描いた緑の直線である。相場がジグザグを繰り返しつつ上げる過程で,相場の戻り(下げ)を阻止するようなポイント(B,C)が発見できる。これらのポイントを結んだ直線がトレンドラインである。AからDまで相場は概ねこのトレンドラインに沿って上昇している。 問題はこのトレンドラインがいつまで続くか,或いは相場がいつこのトレンドラインから外れるかである。特に市場参加者はトレンドラインがある程度続いたあと,この直線がいつ破られるかに神経を集中する。いま仮に相場がDで取引されているとしよう。継続的な買い圧力が健在であればトレンドラインに阻止され相場は依然上昇気運を保つであろう。しかし,買いが細り売り優勢の市場になりつつあるなら相場はDでトレンドラインを破り下落するはず。ここが破られたとき,市場はもう買い手がいなくなったと解釈,逆に一段と売り圧力を強めるのである。
トレンドラインは非常に単純なテクニカル分析だが,至る所でこれが説得力をもつ局面が見られる。結構頼りになる分析手法といえる。
[実例]
左図は 1996年 4月後半から同年 8月初旬にかけてのドル・円相場の日足を表している。104円台から 111円台まで急速にドルが上昇していった流れに赤いトレンドラインが観察できよう。その最終場面,107円台から天井まで,よりきつくなった勾配に沿ってもう一つの青いトレンドラインが描ける点にも注目。相場が天井をつけた翌日に早くも青のトレンドラインが崩された。この時点でドル上昇に対する警戒感を持つべきだったことがのちに分かるのである。数日後ドルは 110円台から一気に 108円台まで急落,下に控えていた赤いトレンドラインをも完全にブレイクした。その後ドルは回復することなく 106円台を見るに至っている。赤いトレンドラインをブレイクした瞬間(●印)に恐らくかなりのストップロスが発動されたと見られ急激な値動きを招来したことから,市場参加者がこのトレンドラインを強く意識していたことが分かろう。
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