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移動平均線(Moving average) |
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短/中・長期の移動平均線がその期間のトレンドを表していると解釈すれば,これらの線が交差するときは相場の直近の流れがそれより過去から引きずってきた相場の流れと相違している、すなわち相場に変化が現れ始めているとの解釈につながろう。中・長期の線より上にあった短期の線がその下側に回れば,それは相場が今までとは「違う」のである。中・長期のトレンドとは違う相場のリズムが短期の線に現れた結果両者がクロスしたと考えれば,そこにトレンドが変わったという解釈が成立してもおかしくない。 さて,図-1は 1987年 7月から同年 12月までのドル・円相場日足である。150円を越えたドルがその後大きく値を崩している様子が見て取れる。ここで注目すべきところは,21日線が 89日線を上から下へ突き抜けた現象(赤い点線○印)。これがトレンドの変化を事後確認する移動平均線のクロスである。つまり,相場が(ドルの)強気から弱気へと変調するシグナルと理解される。二つの線が交差してから相場は一旦反発上昇したものの,のちに再度急落したことから結果的に線のクロスは正しいシグナルを発していたことが分かろう。また,150円を越えて上昇基調にあった 21日線が 200日線を突き抜けられなかった点も(↓印),相場がもう一段上昇するほどのエネルギーがなかった証として注目すべき。さらに,日々線が 200日線に阻止され(↓印)反転下落したところも興味深い。移動平均線は単にトレンドを知るためのツールだけではなく,それ自体が相場のサポートやレジスタンスになることもしばしば観察される。
以上が,相場が見事に型にはまった例。しかし,どんなテクニカル分析・ツールにも欠点があるように,移動平均線にも弱みがある。それは,トレンド転換のシグナルを発するタイミングが遅いという点だ。図-1では,21日線が 89日線を下抜いたのが相場がすでに 10円近くも落ちてからである。相場の動きを移動平均線という物差しだけで測っていれば,これでは余りに遅すぎる。それどころか,線がクロスしてからもしドルを売っていれば,その後のドル反転局面では穏やかな日々を過ごせなかったに違いない。幸い,この例ではシグナルの正しさがあとから証明されたが,いつもこのような好結果をもたらすとは限らない。次に弱点が露呈した例を見てみよう。
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